下宿屋 東風荘
三年間いたが、絨毯も敷いてあったので畳も傷んでいない。
教科書やノートなどダンボールに詰めていると、他の子達が帰ってきたので、変わってもらい食事を温めに台所へと行く。

いつもより遅くはなったが、院生も帰ってきた頃には部屋はダンボールだらけになっていて、ほぼ済んだという。

「みんな、今日は今日で嬉しい話があるからご馳走だよ。早く銭湯に行っといで」

「はーい」とみんなが桶を持って出ていったので、温め直してテーブルに並べる。

一人遅くなるとは言っていたが、おつまみを食べ出す頃には帰ってくるだろうと思い、少し取り分けておく。

みんなが帰ってきたので、院生に早くとせっついて、話をさせる。

「えっと、やっと修士課程修了になりまして、このまま大学に残り、働くこととなりました。まだ暫くこちらに厄介になるのですが、ご報告です」
< 22 / 91 >

この作品をシェア

pagetop