下宿屋 東風荘
洗い物と洗濯を終え、少し休もうと自室へ戻ろうとしたら電話が鳴った。

「はい、下宿屋 東風荘です」

「あの、チラシを見てお電話をさせて頂いたのですが。今年一年生になる息子がおりまして、部屋が空いているかお聞きしたいのですが」

すぐにあの子供の母親だとわかり、ついニヤッと笑ってしまう。

「空いていますよ。チラシの通りですが、一度見に来られますか?」

「ご都合の方は?」

「昼間ならみんな学校に行っているのでいつでも構いませんが。明日でも良いですよ?」

「では、息子を連れて明日の13時にお邪魔します。その場で決めても構いませんか?」

「ええ。ですが、この下宿は不動産を通してませんが、敷金礼金が3ヶ月分ずつ掛かります。家賃5万円ですので、30万掛かりますが、綺麗に使っていただけたら、敷金はお戻ししますので」

「はい。入学前からでもと書いてありましたし、転勤で離れたところへ行くのですぐに決めたいと思っていますので。明日宜しくお願いします」

明日の約束をし、電話を切る。
引越しは午前中だから、開いたままの部屋は見せれるが、もう1人卒業の者もいるのでなんとか埋めたいものだ。
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