鴉 ーLAYー
壱太を乗せ大通りに出た
病院へ向かういつもの道
信号待ちをしていると後方に
真っ黒のセダンが隣に並んだ
明らかに堅気ではない雰囲気
そして隣から凄く視線を感じる
面倒だから見ないけど
そのままバイクを走らせていると騒音が近づいて来た
ミラーで確認すると後方250メートルくらいに
十台以上のバイクが見えた
〈あぁぁまぁぁみぃぃやあああ〉
「チッ」
『おい姉貴。呼んでるぞ』
丁度いいタイミングで信号が赤になった
「壱太前に来い」
言い訳せず大人しく抱きつきながら私の前に来た
私にぐっとしがみついている壱太をパーカーをしめ
懐に収めた