初めての恋。

弱そうなお坊ちゃま系

少し時間がたったときだった。
「由香ちゃん。…はい。」
教科書が後ろから回ってきた。
「えっ何で…」
「何か、余ったらしいよ~」
面倒くさっ!なんであたしがやらなきゃいけないの?
普通、後ろの人が先生のところに届けるでしょ?
なんで1番前のあたし?

このときのあたし…本当にバカだった。
面倒くさがりに、短気。バカだぁ…。

あたしは後ろの席の方に向かった。

誰?この人。なんか、弱々しいお坊ちゃま系みたいな。余計ムカついた。
「ちょっと!!なんで教科書回してくんの?自分で届けろよ!!」
男子みたいな口調しちゃうあたし…。
「いや…、こいつがやったから…」
と自分の前の男子を指さした。
「何そんな事でキレてんの?………」
あたし、まだ何も言ってないのに急に喋りおって…ってか舌回ってないのか聞きずらい…。
「もういいわっ!!」
あたしは面倒くさくなり、席に戻った。先生に教科書を渡して。

もう…何なの?アイツら!!
本当にムカつく!!

この時はずっとそう思ってた。

恋するなんて全然想像もしてなかった。
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