私魔法使いらしいので異世界救ってきます
「よく耐えたわね」



「正直楽しくなっちゃって厳しくしたが、その甲斐あったよ」



「父さん達より強くなったら絶対1発はお見舞いするから」



「楽しみにしてるぞ!」



こんな風に軽口を叩きあってるけど今日はお別れの日。


私達の実力ではお母さん達に送ってもらわないとこっちとあっちの世界を行き来できないので、これからは頻繁に会えなくなる。


寂しいけど、巣立つのが早まっただけだ。



「お母さん達のせいで本当にごめんね。あっちの世界の事よろしくね」



「何も出来ない父さんを許してくれ。応援しかできないけど……頑張れ愛凛」



お父さんとお母さんは涙目だ。


でも私が笑顔で一切泣いてないからきっと耐えてくれてるんだと思う。



「私お父さんとお母さんの子供で本当に良かった。ずっと迷惑をかけてごめんなさい。ササッと世界救って、こっち戻ってきて、ちゃんと親孝行するから絶対にそれまで生きててね!」



「当たり前よ!」



「愛凛、生まれてきてくれてありがとう。俺らの子供になってくれてありがとう。お前が生きているだけで充分親孝行になってるよ」



そんなことを言いながらお父さんとお母さんが抱きしめてくれて、涙が出てきそうになったのでグッと堪える。



「行ってきます!お父さん、お母さん!」



「 「行ってらっしゃい」 」



紫苑君もお別れが済んだようなので一緒に魔法陣に乗る。


今まで異世界に行く時はお母さんと手を繋いで一緒に行ってたんだけど、今回は私達2人だけで魔法陣で行く。


お母さんと雄二さんが心配で帰れなくなるからだそうだ。


でも私も帰っていく2人を笑顔で見送れないだろうからこれで良かったと思う。



「じゃあ、いくぞ」



雄二さんが魔法の動力源となる魔力と呼ばれるものを魔法陣に流す。


魔法陣が光だし、ついに目も開けられなくなってくる。


そんな中無理矢理目を開けると涙を流し、抱き合いながらこっちを見るお父さん、お母さんと目が合ったので微笑み、手を振った。


それに笑顔で手を振り返してくれた2人を見て、目を瞑り直した。
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