イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。

 百八十センチを超える双子よりも、更に数センチ高い位置にある目線を碧羽へと俯瞰(ふかん)した安藤は、彼女の相貌を凝視したまま瞠目した。

「あの、安藤さん? おーい、聞こえてますか? アンディ~」

「なんだ、アレ? 固まってるぞ。つか……よ、碧羽をガチ見してねえか?」

「…………」

 安藤の名を呼びながら、彼の眼前に手をかざして反応を窺う凛。

 漸は胡乱な眼(まなこ)を安藤に向けている。碧羽に至っては、見開かれた双眸が怖ろしくて怯えるのであった。

「なんだかよく分かんないけど、放っといていいんじゃない?」

「だな、行くぞ碧羽」

 不気味に固まる安藤を、凜と漸は記憶から抹消する。

 凛が昇降ボタンを押し扉が開くと、ふたりは碧羽の手を取り、エレベーターまえに立つ安藤の脇を通って機内へと乗り込ん――

「って、ちょっと待ちなさいよッ! なに堂々とスルー決め込んでくれてんのよ」

 凜と漸はあからさまに邪魔くさそうな顔になる。碧羽は彼らの後ろへと身を隠した。

「はあ――……まだ、なにか用ですか? 僕たち、もう帰りたいんだけど」

 「用があるから、あんたたちを追いかけて来たんじゃない。そうでなきゃ、なんであたしが、あんたたちみたいな小憎たらしい双子なんか」
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