イケメン双子と、もれなく『腐』の付く残念女子と。
それがいつからか、双子は碧羽から距離を置くようになった。
明白な理由は碧羽にも分からないのだが、初等部高学年の頃から、碧羽に対する双子の態度は余所余所しくなったように思う。
毎週週末はどちらかの家で過ごし、仲良くベッドで眠るのが常であった。
だが、そんな当然であった習慣も、突然終わりを迎える。終わりを告げたのは双子の凜である。
いつも三人仲良く手を繋いで眠りについていたのに、「もう碧羽とはいっしょに寝ない」「ごめんね?」と、それ以来、別々の部屋で就寝に就くようになった。
いつしか、お互いの家を行き来したり、泊まるという行為自体が無くなってしまった。
* * *
切っ掛けというものは挙げればきりがないと思うのだが、如何せん碧羽は、他の者の心情を汲み取るといった、高等なる気遣いが欠損していた。
思春期に差し掛かり、恐らく多くの男子が経験するであろう、性への目覚め。
これは女子にも言えることではあるが、ここでは碧羽は除外しておくこととする――碧羽は己が思春期だということも気づかない恐れがある――。
兄妹のように、いつもそばにいるのが当然であった碧羽。