離婚前提策略婚。─続編─【改訂版】
「お忙しい中ありがとうございます」

「いえ。ちょうど仕事も落ち着きましたので」

「それは良かった。今回電話でもお伝えした通り、ぜひ五十嵐さんに当社で働いていただきたく、総合的にお話をさせていただければと思いまして」


俺、言葉合ってるか?

慣れねぇもんだからこれでいいんだかわかんねぇな。

にしても笑顔が疲れる。最後まで保つか厳しいわ。


「ヘッドハンティングですよね?」

「ええ、そうです」

「なぜこんな若造を?それも神田グループ本社の営業部に」


んなことこっちが聞きてぇよ。


「五十嵐さんの実力に惚れ込んだもので。お若いのでこれからいくらでも伸びる可能性がありますし。今でも素晴らしい成績を上げていらっしゃ…」

「お待たせしました、生二つです!」


店員が運んできた酒をテーブルに二つ置く。
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