大好きなきみへ、あの約束をもう一度
「でも、それは簡単に壊れてしまうような、ひび割れたガラスの上を歩くように不安定な状態には変わりない」
先生の言葉は、難しい。
だけど、なんとなく……この歪な関係が、いつか終わってしまうような気がしてた。
だから、必死に壊れないようにと早織の存在を肯定してきたの。
でも今、早織は傍にいない……。
――ズキンッ。
「うっ……」
「早織、また頭痛が……少し、横になるか??」
頭をおさえて苦しむ私に、海斗がすぐに気づいた。
心配そうに私の顔をのぞき込んでくる。
「ううん、大丈夫……ありがとう、海斗……」
「いや、心配くらいさせてくれ。俺、傍にいるくらいしか出来ねーで、本当にごめんな」
なんで、海斗がそんな悲しそうな顔するかな……。
私は、海斗がいるだけで……こんなに心救われてる。
勇気を、もらえるのに。
「湊ちゃん、早織ちゃんの幻覚が見えなくなったのは、湊ちゃんが前へ進もうとしている証だよ」
「え、前に進む……?」
先生は、真剣な顔をして、きっぱりとそう告げた。