大好きなきみへ、あの約束をもう一度



放課後、約束通り海斗と買い出しに来ていた。

ここは、駅近のスーパーで、買い出しというと、ここによく来ている。



「湊、何作る予定なんだ?」



海斗がカートを押しながら私を振り返る。

わっ……なんか、海斗とスーパーにいるのって変な感じ。


結婚とかしたら、こんな風景が当たり前になるのかな……って、私は気が早すぎる!



「えと、肉じゃがかな……」



自分でツッコミながら、恥ずかしくなる。

私は悟られないようにそう答えた。



「肉じゃがかー。くぅーっ、俺も食いてぇ、湊の肉じゃが!」


くぅーって……。

海斗ってば、本当に……。


「ふふっ、なら今度作るから」


本当に悔しそうにするんだもん。

私を、どこまで喜ばせるんだろう、海斗は。


つい笑ってしまう私に、海斗も笑ってくれる。



「マジだな!?約束だぞ、湊!」


「うん、約束する」


全部終わったら、海斗に肉じゃがを作ってあげよう。

そんなことを考えながら、ニンジンとジャガイモをかごの中に入れていく。


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