大好きなきみへ、あの約束をもう一度


こんなイケメンが、なんで私なんかに構うんだか……。


『湊、毒島さんのこと、話してみたら?』


「……え?」


『モヤモヤしちゃってるんでしょう、さっきのこと!』



それは、そうだけど……。

だけど、こんなこと海斗に相談するなんて……。


チラリと海斗の顔を見つめれば、それに気づいた海斗が、「ん?」と首を傾げる。


でも、私のことなんて話しても、海斗には迷惑なだけなんじゃ……。



「湊、話したいことあるんじゃねーの?」

「え……」



どうして、話したいことがあるってわかったんだろう。

私……話したそうな顔、してた??



「ストレスは溜め込むと早死にするらしいぞ」


「なにそれ……」


早死になんて縁起でもない。


「ばあちゃんの受け売りなんだよ。ほら、ちゃんと聞いてやるから、な?」


「おばあちゃんの……」



海斗、よくおばあちゃんの話するけど、おばあちゃんっ子なのかな。


それに、海斗の気遣いに下心はないような気がする。

海斗の瞳が、前にも思ったけど……とても澄んでいて真っ直ぐだから。


だから……話してみても、いいかもしれない。


「……えっと、実は……」


だからつい、毒島さんとの会話を海斗に話してしまった。



「私、相談とか乗るの得意じゃないっていうか……なのに、聞いてくれてありがとうって……言われて……」


「それは……本当に、そのままの意味だろ?」


「そのままの意味?」


「毒島は、湊に話を聞いてもらえただけで、嬉しかったってこと」



私に、話を聞いてもらえて、嬉しかったって……。

たったそれだけで……?

海斗も、早織と同じことを言うんだな。

やっぱり2人は、どこか似てる。

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