エリート外科医の一途な求愛
「君が試すんじゃなくて、証明させてくれないか」


頭上から降ってきたその言葉に、私はそおっと目を上げた。
半分怯んで警戒が漲る瞳で、各務先生を仰ぎ見る。


「大事な女を、俺がどれほどまでに愛してやるか」


見下ろす瞳の強烈な目力に、ドクンと大きな音を立てて鼓動が跳ねた。


今までのふざけた口説きと言ってることは一緒。
なのに三度目の今は、そこに確かに各務先生の意志がこもっていて、冗談で誤魔化すことも憚られる強さを感じる。


「な……」


何か言わないと、と口にした言葉は、カラカラに渇いた喉に引っ掛かった。
一度ゴクッと喉を鳴らすけど、大した潤いにはならない。


「なんで私に証明する必要があるんですか」


それでも、つっかえながらその疑問を口にした。
各務先生はわずかに口角を上げて目を細める。


「誤解してるのが君だから」

「別に私に誤解されたって、先生は痛くも痒くもないでしょう」

「加えて言えば、俺に愛された君が、どのくらい可愛げのある女になるのか、興味が湧いたから、かな」


更に耳元に畳み掛けられるそんな言葉に、今までとは違う反応を私の胸が示した。


確かに今、きゅんって鳴った。
そんな自分に私自身が混乱しそうになり、カアッと頬が赤くなるのを感じた。


そして、そんな反応を各務先生は一から百まで見抜いてる。
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