暗黒王子と危ない夜
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◆
「本多のことなんだが、体調不良のため1週間ほど入院中すると連絡があった」
朝のしんとした空間に、突然どよめきが起こった。
あたしはすかさず三成のほうを見た。
今朝、三成と一緒に登校したというのに、そんな話は一言も聞いていなかったから。
「その間は、誰かノートやプリントを取っておいてあげるように」
そんな、と思う。
本多くんとは昨日、市川さんのお店で会ったきり。
入院しなければならないほどひどい状態だなんて思いもしなかった。
残りの事務連絡なんて何も耳に入ってこない。
朝礼が終わるなり、三成に詰め寄った。
「三成、聞いてないよ。どういうことっ?」
こんな事態にも関わらず、三成は呑気にみかんジュースなんか飲んでいる。
「落ち着け萌葉」
「落ち着けって……」
思わず泣きそうになる。
すると、慌てたように立ち上がり「大丈夫だから」とあたしの肩をポンポンと叩いた。
「これ、でかい声じゃ言えねぇーんだ。ちょい廊下出るか」
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「本多のことなんだが、体調不良のため1週間ほど入院中すると連絡があった」
朝のしんとした空間に、突然どよめきが起こった。
あたしはすかさず三成のほうを見た。
今朝、三成と一緒に登校したというのに、そんな話は一言も聞いていなかったから。
「その間は、誰かノートやプリントを取っておいてあげるように」
そんな、と思う。
本多くんとは昨日、市川さんのお店で会ったきり。
入院しなければならないほどひどい状態だなんて思いもしなかった。
残りの事務連絡なんて何も耳に入ってこない。
朝礼が終わるなり、三成に詰め寄った。
「三成、聞いてないよ。どういうことっ?」
こんな事態にも関わらず、三成は呑気にみかんジュースなんか飲んでいる。
「落ち着け萌葉」
「落ち着けって……」
思わず泣きそうになる。
すると、慌てたように立ち上がり「大丈夫だから」とあたしの肩をポンポンと叩いた。
「これ、でかい声じゃ言えねぇーんだ。ちょい廊下出るか」