コンパスと鍵と真紀子さん


「でも、良いのよ。」





その紺ちゃんの言い方と笑い方が、無性に怖かった。

まるでさっきの青空みたいに。






「田代んに見付かんないようにね。」


「あぁアレ、煩いわよね。」






生活指導、田代ん。

可愛いらしく呼んでいるけれど、校長なんかよりずっと、学校の主だと思う。




もともと田代んは、紺ちゃんのことを良く思っていないと思う。


学校のほとんどの生徒が、高校になっても未だスカートは膝丈、
それにノーメイク。




紺ちゃんも別に、スカートは上げていないし、化粧もしてない。


けれど、目立つ。




田代んに目を付けられてるのは、多分結んでいない長髪が原因だと思う。



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