コンパスと鍵と真紀子さん
このまま世界が進むことが無ければ良いのに。
勿論戻ることも。
どうしてだか分からないけれど、2人を見た私の頭にはその考えがふっと浮いてきた。
涼しい声で去ってった紺ちゃんと、
今私の目の前で涙を流している彼と。
"3分だけ待ってくれ。
出来れば外で。"
白ちゃんが何とか私にそう言ってきたけれど、
私はさっきから動き方を忘れたみたいなんだ。
"3分待つから、
でも外には出れないよ。"
白ちゃんは初めてこちらを見上げてくれた。
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