コンパスと鍵と真紀子さん




「じゃあ、この辺で。」


「…はい。有難うございました。」






おんぼろな机の傷の形を見つめ続けていた、目線を上に戻した。


窓の閉まる小部屋が、いまさら息苦しい気がしてきた。








「植野。」


「はい。」





「…お前は、聞かないのか。」


「それ疑問文ですか、独り言ですか。」






白ちゃんが髭に手をやって笑った。



「両方だな。」



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