完璧なる後転

後姿を見送ると
今度はバレーボールより
100倍小さいオレンジの球が足元に転がる。

「千尋ナイス!」

「いいなぁ。おめでとう」

ひとりは親指を立て
ひとりは小さく手を叩き
卓球部の友達が嬉しそうに言う。

「いや……違う」

なんで
おめでとうなの?

ワケわからない。
そんな顔をしていると

「すぐ戻れ!」
鬼のような姉の声が響き
背筋を伸ばして友達は去って行き

代わりに姉が目の前に登場

「いい奴じゃん」

遠い目をして私に言い残す。

いや

ゼンゼン
違いますからーーー!!
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