3年分の甘い時間



「・・・ん、」


コーヒー・・・の香りがする。


目を薄く開けると、見たことのないカーテンや家具。布団だっていつものものじゃない。


寝返りをうつと、少し先にクローゼット。私の部屋じゃない。



「・・・ここ、どこ?」


ガチャー


開いたドアを見ると、普段コンタクトの課長が眼鏡をかけて、マグカップを片手にやってきた。

思わず私はガバッと上半身を起こした。


「・・・か、かかかかっ」


「・・・お目覚めですか?」


嘘でしょ、課長だ。そうだ、飲み会。
私、酔っ払ったんだ!!


「・・・朝からいい眺めだ。まったく、昨日の夜といい、いけない子だ。」


え?


課長の目線がちょうど自分の胸元だと気づいた。


「きゃ!」


身につけてない!待って、頭がついていかない!どうゆうこと?!ヤっちゃったの?!


布団で隠しながら課長に聞く。


「あの、私達って・・・」


「ん?なんだい?」


え、絶対分かってるよね?


「いや、ですから・・・あの、昨日の夜って・・・」


「うん?」


は?!なにニコニコしてるんですか?!



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