イジワル上司に甘く捕獲されました
その私の声に目を覚ましたのか、スルッと腕の拘束が緩んで。

「……ん。
美羽……?」

寝起きの少しだけかすれた色っぽい声で潤さんがゆっくりと瞼を開ける。

……何で寝起きなのにこんなに完璧と思えるくらいに綺麗なんだろう……。

私なんて、きっと頭も顔もグシャグシャだ……特に目元なんてマスカラが散々なことになってそうで、想像するだけで恐ろしい。

ああ、明るいところで見られたくない……そんな私の乙女心というか女心は察してくれず。

思いっきり頭を下げて私の顔を覗きこむ潤さん。

逆に思いっきり毛布に潜ろうとする私に。

「ダメ。
……おはよ、美羽」

と、甘い甘い声で阻止して毛布ごと私の身体を抱き締め直す潤さん。

「……お、おはようございます……」

ほんの少し顔を上げて、その胸に抱かれると。

トクン、トクンと優しい潤さんの鼓動が私に届く。

「あ、あの潤さん……これ……」

左手の指輪を右手で差し示すと。

「気付いた?
……クリスマスプレゼントと、美羽は俺のっていう印」

私の額に優しく唇を付けて、潤さんが囁く。

その言葉が私の身体にジンワリ染み渡って、涙が滲む。

私のために……?

私をそんな風に大切に独占してくれるの?

「……美羽?」

私の上顎を持ち上げて、心配そうに覗きこむ瞳を真っ直ぐ見つめて。

「……嬉しいの……ありがとう、潤さん」

泣き笑いのような表情で笑う私に。

彼は極上の蕩けそうな笑顔のまま優しいキスをした。
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