【完】強引なイケメンに、なぜか独り占めされています。
下駄箱へ差し掛かる寸前で背後からひーちゃんの名前を呼ぶ声が聞こえて、私達は振り返る。
あ……怖そうな雰囲気を放つ彼は、確か……
「………晴(はる)。なによ?」
そうだ、彼はひーちゃんの幼馴染みだ。
無口で少し怖そうで、笑ったところを見ない。
桐生秋十以外とは誰ともつるまないのが滝澤(たきざわ)晴くん……。
「一緒に帰ろ?」
「……は、ハァっ?」
「あ、日和。また怒った顔してる」
また、怒ってる…………?
「……別に怒ってない。それに、もう子供じゃないんだから一緒に帰らないわよ」
まさか断るなんて予想外……。
だって、晴くんはひーちゃんの幼馴染みで、私も小学校から一緒。
当時、乱暴で怖いなんて言われていたひーちゃんだけど「晴、晴」っていつもくっついてて。
なのに中学卒業間近、なぜか二人が一緒にいるところを見かけなくなった……。