−空の記憶−



「…ソ…ラ……?」

その、虚ろな目。

初めてこの世界を見るような、何も知らないような。

昨日まで笑っていたのに。

「……だぁれ?」

ソラはその言葉と同時に、床へと倒れこんだ。


「ソラぁあぁああ…っ!」

お願い、誰か。
これが嘘だと、質の悪い夢なんだと言ってくれ。



リズは倒れたソラを抱き締めた。

涙なんか止まらない。

もう目を覚まさないなんて。



これが現実だなんて。



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