断罪アリス
「ねぇ、それって何か基準あるの?」
「あるよ。トマトならヘタにはりがあって緑色が綺麗で、赤い丸みと重さのあるやつが良いトマトなんだよ」
莉瑚の問いに答えたのは俺ではなく、アリスさんだった。
まあ、彼女の言うことは当たっている。
でも……。
「アリスさん、何でそんな知識持ってるのに料理できないんですか?」
頭が良いアリスさんなら知っていてもおかしくはないけど、知っているなら料理をできるようになるための知識も学んで欲しい。
「だって、料理しようとする私を止めるのはコトリ君と朱鷺達でしょ?私は作ろうとはしているよ」
「……貴女がしようとしていたのは料理だったんですか」
アリスさんの言葉に、無意識に顔がひきつる。
あれを料理をする人のやることだと思えない。
何せ、彼女は肉を切るのに鉈を持ってきたのだ。
肉を切るなら普通の包丁で事足りるというのに。
その時は俺と一飛さんで止めたから良いけど、それ以外にも多々そういったことが起こっている。
だから、最近ではアリスさんを絶対キッチンに入れない暗黙の了解が俺と風間さん達の中で出来ていた。