断罪アリス
「でも、まあ……」
一頻り笑った黛は何処に持っていたのか、不気味なほどに光る鎌を取り出した。
鎌は一般家庭にあるような草刈り鎌なのに、その切っ先は有り得ないくらい鋭く尖っている。
まるで、草刈りではなく、別の用途に使うために鋭くされているように思えた。
「此処からは警察も動き出すぜ。てめぇら、そのガキに構ってて良いのか?……俺達が動き出すんだぜ?」
黛のその言葉と共に三つ子や露出の多い女、獣耳の男が現れる。
現れた彼らは皆、血に飢えた獣のような目をしていた。
それを感じ取った学生達は一気にその場から逃げ出す。
学生達は俺を追うではなく、己が追われる側になった。
「……良い気味だ」
自分の口から漏れた言葉に、ハッとした。
俺は今、何て言った?
『出てきたな、お前の本質が。お前は≪僕≫だ。黒い心を持つ悪魔なんだ』
うるさい、俺に話しかけるな……。
『ほらほら、黛達と一緒にあいつらを追いかけて殺せ?自分が助かりたいからお前を切碕に差し出そうとした奴らだ、殺したってお前は悪くない』
うるさい、黙れよ……。