断罪アリス
「でもね、朱鷺はただ認めて欲しかっただけだったんだよ。自分の存在を」
私はコトリ君が淹れてくれた紅茶の入ったティーカップを取ると、口をつけた。
コトリ君は私の前に座って、唇を噛んでいた。
多分、自分の立場と重ねてるんだと思う。
コトリ君も複雑な出生の秘密を抱えている。
でも、彼の存在は皆が認めている。
だけど、当時の朱鷺の存在を認めるのは生み出した父さんだけで、他の研究員達はいないものとして見ていた。
「だから、私は朱鷺の存在を認めた。勝手に生み出しておいて人を殺せないからと存在を認められないのはおかしいでしょ」
私は十年経った今でもあの時の朱鷺の顔が忘れられない。