断罪アリス


「ん?単なる暇潰し」



藤邦さんはてへぺろ、と少し前に流行った言葉を言いながらウインクしてきた。



……探偵って暇潰しで出来るような仕事だっけ?



「まあ、この話は置いておいて。君、さっきの男に心当たりは?」



さっきの男?



一瞬何のことか分からなかったけど、すぐに誰のことか理解する。



女の人を殺し、俺を殺そうとした赤い瞳の男だと……。



「……知りません」



首を振れば、彼女は何か考えるかのように顎に手を当てた。



その姿も、一つ一つの仕草も綺麗だ。



それに、あの男に面識があれば絶対に忘れるわけがない。



あの赤い瞳も纏う冷酷な雰囲気も、行いも人とは思えない……。




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