断罪アリス
「……母は10年前に突然失踪しました」
俺達の母さん、小鳥遊潮は俺が10歳の頃に突然姿を消した。
朝学校に行くとき普通に見送ってくれたのに、帰ったらその姿はなかった。
不思議なことに父さんは母さんがいなくなっても捜索願は出さなかった。
子供の頃は分からなかったけど、今なら分かる。
母さんは他に男を作って出ていったのだと。
俺達は母さんに捨てられたのだと……。
「……そう」
藤邦さんは何か感じ取ったのかそれ以上は聞いてこなかった。
そして、風間さんの隣に座ってお茶を口にした。
そのお茶を飲む動作も綺麗で、彼女の育ちの良さを際立たせている。