Spice‼︎
梨花は桐原に滅茶苦茶になるほど抱かれた。

「別れないって言うまで離さない。」

と桐原は言った。

梨花自身もずっと桐原とこうしたかった。

抱かれれば抱かれるほど別れは辛くなる。

「別れたく無いけど…もう寂しいのは嫌なの。
側に居てくれる人じゃなきゃ我慢できない。

桐原部長の事は好きだけど…

こんな付き合い方してたらいつか全て失くすって思ったの。」

梨花は泣きながら本当の気持ちを語った。

「風間のせいだな?

でも風間なら俺とお前が付き合うのを反対しないハズだ。」

そんな事本当は風間も望んでない。

そして梨花ももうあんな三角関係に戻るつもりも無かった。

「桐原部長は勝手すぎる。

私の気持ちは関係ないの?」

「じゃあオレが全て捨てたらお前は満足するのか?

何も無くなった俺についてくるか?」

あの会社で頂点に上り詰める事が桐原の夢だ。

その夢を捨てさせるなんて梨花だって望んでない。

だけど…桐原を独り占めしたい気持ちもどこかにある。

「桐原部長は私のために全てを失うなんて絶対にしないでしょ?」

桐原は梨花を抱き寄せると耳もとで囁くように言った。

「お前が望むならすべて捨てるよ。
だから俺と別れるなんて言うな。」

梨花はそれが嘘だとわかっていても受け入れるしかない。

こんなに愛された後で
桐原の事を忘れられるほど
まだ気持ちの整理はついて無いからだ。

そしてまた桐原にそのカラダを愛されて
梨花はさらに桐原に溺れていった。




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