Spice‼︎
「あのさ…桐原部長ってどう思う?」

梨花が突然そんな質問をしたのでヒロは首を傾げた。

「ん?どういう事?」

「ヒロくんは色んな人見てるでしょ?

桐原部長ってどんな人だと思う?」

ヒロはワインをまた一口飲んで
梨花の隣に腰を下ろした。

「梨花をこんなに苦しめるなんて悪い男だと思う。

なーんて。

まぁ…あんまり良く知らないけど…

頭が良くて、仕事も出来て、
ちょっと計算高くて…野心家で…

sexが上手くて女にモテる…って感じ?」

「すごい!当たってる!」

「悩んでるのは桐原さんのせい?」

梨花はヒロに聞いてもらうことにした。

「ヒロくんが風間くんは誰かの紹介でヒロくんの店に来たって言ったでしょ?

あれって桐原部長だと思うのね…」

ヒロは頷いて答えた。

「梨花じゃなきゃ…桐原さんだろうね。

風間くんと共通の知り合いは他には彼だけだから。」

「それって桐原部長が私と風間くんを逢わせたって事だよね?」

ヒロはすぐには答えずに言葉を選んで言った。

「逢わせようと思ったか…
もしくは風間くんの家の近くにいいバーがあるよって
ただ単に教えただけかも知れないよ。」

桐原がただ単に自分の不倫相手が居るバーを他の男に勧めるとは梨花には到底思えなかった。


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