Spice‼︎
「梨花!」

ドアを叩きながら名前を呼ぶ声で桐原だとわかった。

「梨花…ダメ…俺の顔見て。」

ヒロが梨花の目を見ながら身体をベッドに押し付けて
身動きが取れない様に覆い被さる。

声が出せない様に梨花の口に自分の舌を入れ、
深いキスをしながら激しく動いた。

外では桐原が夜中だというのに
ベルを何度も鳴らしている。

ヒロが果てて、ようやく梨花の身体を離した。

「梨花…俺が出ようか?

そっちのがいいよ。」

「うん。」

梨花もヒロに愛されたばかりの身体で
桐原に会うのはやはり抵抗がある。

「ヒロくんに任せてもいい?」

「うん。」

「シャワー浴びるね。」

「うん。」

梨花がバスルームに入ると
ヒロはスウェットパンツを履いて上半身裸のまま
部屋のドアを開けた。

ヒロのその姿を見て、梨花と今まで寝ていたのがすぐにわかった。

「梨花は?」

「シャワー浴びてます。

悪いけど…今夜は帰って下さい。

夜遅いし…梨花は会いたくないって言ってますから。」

桐原が部屋に入ろうとするとヒロがそれを遮った。

「梨花を利用したんでしょう?

彼女かなり傷ついてますよ。」

桐原は梨花とヒロがそんな話をするほど深くなってる事にショックを受けた。

「梨花と別れてくれないか?」

桐原がそう言うとヒロは首を振って
桐原を外へ出した。

「それはこっちのセリフですよ。
もう梨花に近づかないで下さい。」

そう言ってドアを閉めた。

桐原は茫然と部屋の前に立ちつくしていた。



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