Spice‼︎
ホテルに入ると桐原は優しく梨花の靴から脱がしていく。

3年前は綺麗に塗られたペディキュアが
今は塗られていなかった。

梨花はそれに気付き、慌てて脚を引っ込める。

「男…居ないのか?」

「そういう質問には答えません。

あくまで助けて頂いたお礼ですから。」

「ふーん。お礼ねぇ。」

桐原は口角を上げてすこし意地悪な顔で笑う。

「じゃあキッチリ身体で返してもらうな。」

桐原そういうと梨花を抱き上げてベッドに抑えつける。

そして梨花の身体を満たしていく。

「ただのお礼のわりに感じてるなぁ。」

桐原は梨花の羞恥心を煽って
全てを奪っていく。

梨花は大きな声で啼きながら
頭が真っ白になるまで昇り詰めていく。

気がつくと桐原は梨花を見つめて髪を撫でていた。

既婚者だった頃の終わればすぐにシャワーを浴びて帰ってしまうあの桐原では無くなっていた。

「気持ち良かったか?」

梨花が恥ずかしそうに頷くと

「俺も最高だった。」

と梨花の髪にキスをした。

「梨花…やり直してるくれないか?

俺はお前が戻ってくるのをずっと待ってるんだ。

でも…もうそろそろ限界だよ。」

梨花はまだ桐原を信じられないでいる。

「まだ…時間がかかる。」

「俺のこと許して無いんだな。」

何も言わない梨花が痛々しかった。

思ったより自分がつけた傷は深くて
桐原はまだ梨花との間に大きな壁があると感じた。


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