Spice‼︎
結局、風間は南に曖昧な返事しか出来なかった。

自分がこれほど優柔不断だとは思ってなかったが
断るのは何となく気が引けて
お互いの連絡先を交換し、また逢う約束をした。

父には暫く付き合ってみると返事をした。

すぐに断るとまた梨花に被害が及ぶ心配もあったし、
南に会って楽しかったのも事実だった。

梨花には何て話そうか悩んだが
嫉妬させるのもありかも知れないと
南と暫く逢うことになったと言った。

梨花は一言

「わかった。」

と言った。

納得してるのか、
強がってるのか…?

風間には梨花の真意はわからなかったが
梨花は風間が他に目を向ければ梨花に対する嫉妬が無くなると思った。

「ヤキモチ妬かないんですか?」

「風間くんがその人と寝たりしたら妬くよ。

でも今はお父さんの手前、すぐに断れないから逢うだけでしょう?」

「まぁ…そうですね。」

まさか南と寝るなんて事は無いだろうけど…と風間は思っていたが
ヤキモチを妬く梨花を見てみたいと思ったりもする。

そのためだけに南を傷つける訳にはいかないが
風間はもう18才の頃の純情な男では無い。

それを南にも分かってもらわなければいけない。

そんなことを考える自分は
あの桐原と変わらないかもしれないと思った。












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