Spice‼︎
風間はベッドに腰掛けて
服のまま横たわってる梨花に聞いた。

「どこが悪いんです?」

梨花は風間の右手を取って自分の左胸の上に置いた。

「ここ。」

「ここが?」

「痛いし、苦しいし、傷ついてる。」

風間は梨花の胸を開き、
自分のシルシが消えてしまった左胸に触れる。

「風間くん、約束したでしょう?

消える前にまたシルシを付けに来るって。

それなのに来てくれなかったよね。」

「すいません。」

「土方とより戻したって聞いたから?」

風間は黙って梨花の左胸に置いた手を服の中に滑らせていく。

「僕はあの人に叶わないんですよね?」

「…私…土方と結婚する。

もう風間くんに逢わない…そう思ったの。

でも今日、桐原次長に逢っちゃったら…わかんなくなっちゃった。」

風間は困った顔をして言った。

「言ってる意味がわからないんですが…」

「桐原次長に逢ったら…なぜか…ものすごく風間くんに会いたくなったの。」

自分でもどうしてそうなるのかわからなかった。

「梨花さんは僕と桐原さんとどっちが好きなんですか?」

その答えも未だにわからない。

「桐原次長が居なかったら
風間くんに逢わなくても耐えられるけど

次長に会うと風間くんが居ないことが耐えられない。

多分、風間くんが居るからあの人と続いてるの。

どっちが欠けてもダメだと思う。」

桐原は分かってたんだろうか?

梨花は恋愛にスパイスが無ければ冷めていく。

そのために自分を梨花に送り込んだのかもしれないと風間は思った。











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