Spice‼︎
梨花は最低だって自分でもわかってる。

それでも風間と離れたくなかった。

風間はわざと梨花を焦らした。

「僕が欲しいですか?」

「うん。」

「土方さんじゃなく?」

「うん。」

「桐原さんでもなく?」

「うん。今は風間くんなの。」

「今は…か。」

そして梨花にキスをする。

蕩けそうなくらいのキスを何度もして
風間と1つになる。

外で何度も土方がインターフォンを鳴らしてるのも
梨花の耳には届かなかった。

「諦めないみたいですよ?」

風間は梨花の髪を撫でながらまるで他人事のように言った。

「開ける?殴られるかも。」

「誰がです?梨花さん?」

「まさか、風間くんが…よ。」

梨花はカラダに風間のシャツだけ羽織るとドアを開けた。

「梨花…お前…オレをバカにしてるのか?」

梨花の姿を見みて土方は愕然とした。

「ごめん、今日は帰って。」

「まさか倉庫から出るためにオレを利用したのか?」

「そう思うならそれでいい。

とにかく…今は話せない。」

土方は聞く耳を持たず、梨花を押しのけて部屋に入って来た。

乱れたベッドの上にいる風間を見つけると飛びかかってきた。

「親が居なきゃ何にも出来ないクセに…
ふざけやがって!」

梨花が止めに入ると土方に突き飛ばされて
食器入れのガラスの扉が割れた。

梨花の手から血が流れて土方は風間を殴る手を止めた。







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