ヴァージンロード <続>Mysterious Lover

は……演技、ってなんの話だ?

ちょっと待て。
それ以前に、
2人って……知り合いなのか?

「あんまり君たち2人が危なっかしいからさ、ちょっと荒療治。悪く思わないでくれよ」

あ、荒療治だって……?

「あたしの友情に感謝しなさいよ。タクミ」
悪戯っぽく笑む、赤い唇を見ていたら……

頭の中でもつれる糸の先、ゆるゆると、そして鮮やかに。
ナディアの言葉がよみがえってきた。
半年前、バンクーバーであいつに聞かされた、日本人の話だ。

——仕事、一緒にした人なの、グッドルッキングで、時々とってもキュートで。
——すっごく強いのよ。柔道のブラックベルトなんですって。
それって、すごいんでしょ?
——料理が上手なの。彼のおかげで、すっかり和食好きになっちゃった。

そういえば……
あれってまんま新条のことじゃないか……
なんで今まで気づかなかったんだよ!
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