ヴァージンロード <続>Mysterious Lover
「オレにそっちの趣味はないし、ナディアの好みは……そうだな、新条さんみたいなスポーツマンタイプかな」
さっき、一緒にベンツに乗り込んだ2人。
狙い定めたら一直線、って超肉食系のナディアに、彼がどこへ連れ去られていったのか……オレは敢えて考えないようにしていた。
「そう……なんだ」
「だから、奈央さんも何も心配しなくていい。オレは、あなたに夢中なんだから」
オレは奈央さんの頬に触れて、上向かせて。
唇を近づけた。
誤解はこれで全部とけた。
はず。なのに……
どうして奈央さんは、まだこんなに不安そうな目してるんだ?
「奈央……さん?」
「……」
「頼むからさ。聞きたいこと、ちゃんと全部聞いて。オレ、なんでも答えるから」
「……じゃ……どうして、その……」
しばらく言いよどんでいた奈央さんだったけど、
唐突に。
その顔が、首筋が、ぱああっと赤く、染まっていく。