なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
だから嫌だったんだ。
恋愛なんて分からないことだらけで。
自分のことだってよく分からないのに、相手の気持ちを考えなくちゃならなくて。
考えたのに、間違えて。
私にはやっぱり向いてないんだよ。恋愛なんて。
思った通りだ。
一人でいる方が、ずっと楽だった…––––。
「………付き合わなきゃよかった」
「……え?」
「長瀬となんて、付き合わなきゃよかった」
無意識にそう言葉を発して、ハッとする。
長瀬が目を見開き固まっていたからだ。
「い…今のは……」
一瞬で自分の言ってしまったことに後悔して、弁解しようとした時にはすでに遅かった。
私を見つめる長瀬の瞳から、温度が消える。
ぞくっと背筋に冷たいものが走り、思わず唾を飲み込むと、ソファーから立ち上がった長瀬が私に背を向けた。
「は。さすがに…きっつ…」
額を押さえ自嘲気味に笑い、長瀬はそう呟く。
「長……」
「分かった。じゃあ、やめよ」
「……え?」
「付き合うのやめよ」