なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
さぞかし女の子には困らない人生を歩んできたのだろう。


だけど!!だ!!


こっちは、バッチリ初めてだっつの!!!


ガラじゃないよ?


ガラじゃないのは分かってる。


だけどさ?


初めてのキスくらいは、好きな人としたかったよ!!



“好きな人”という言葉で頭に浮かぶのはたったひとり……。


それなのに……。


あんのクソガキがぁぁぁぁぁぁぁ!!



「んー。なんかさ。やり方は強引にしろ、長瀬がやってることって、あながち間違ってなくない?」


「え?」


「私からすれば、咲希が強情過ぎる。長瀬は、あんたが頑なにひとりで仕事背負ったりするから、こんな行動に出てるわけでしょ?
長瀬がそうするのは、全部咲希の為じゃん」


「それは……っ」


そうかも…しれないけど。


だけど、頼んでなんかない。


私がひとりで仕事を背負うのは、私がその方が楽だから。


私がそうしていれば、誰からも不平不満はでないでしょ?


自分が仕事を背負うことなんかより、また昔みたいに誰かが私の不平不満を言っている。そんなのを聞く方が、ずっとずっと辛い。
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