なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
雨はなかなかの激しさで、ものすごい勢いで窓に打ち付けている。


確か、家を出る前に見た天気予報では、晴れのち雲りになっていたはず。


あてにならないなぁ。天気予報。


折り畳み傘ですら家に置いてきちゃったじゃんか。


「失礼します」


職員室独特の香りに、一瞬うっと顔をしかめながら担任のいるデスクへと向かう。


担任は、神崎先生という学年主任のベテランおじいちゃん先生。


基本的に温厚な性格で、顔はナマケモノによく似ている。


だけど、ひとたび柔道着に着替えれば、地獄の支配者と呼ばれるほどの強者らしく、かつて先生に戦いを挑んだどっかのバカな不良が、華麗な一本背負いで叩きのめされ、素直に心を入れ替えたとかいないとか。


そんな青春学園ドラマみたいな展開が本当にあったかどうかは定かではないが、とにかくすごい先生らしい。


見た目は本当にナマケモノが笑ったみたいな顔なんだけどなぁ。


ナマケモノの笑った顔、見たことないけど。


「先生日誌書き終わりました」


「あぁ、花枝さん。ご苦労様でした。今から帰りかい?外はすごい雨だろう?」


「はい。そうみたいです」
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