なぜか私、年下ヤンキー手懐けました。
予想通り嫌な顔をする者もいれば、思ったよりあっさり受け止めてくれる者もいて、自分で予想していた状態よりは大事にならずホッとした。


まぁ、していた予想があまりにもネガティブ極まりないものだったのは言うまでもないわけだけど。


本当は嫌な記憶がよみがえって、何度も何度もやめようと思った。


何度も言うけど、みんなに協力を呼びかける恐怖に比べたら、自分ひとりで仕事を背負う方がずっと楽だからだ。


だけど、また長瀬に面倒なことをされても敵わないから……。


そう、その方がずっと面倒くさいかなって思ったんだよ。うん。


まぁ、何はともあれ、不覚にもあの生意気小僧のおかげで参加自由の委員の仕事にもこうして人が集まってくれるようになった。


そのことについては……癪だけど……本当に癪だけど……一応…感謝はしている。




そんな事を思いながら、上の方にも飾りを付けようと再びツリーへと手を伸ばせば……。


「ひゃっ!!」


ふわりと体が浮いて、私は思わず悲鳴を上げた。


「届く?」


「なっ…長瀬!?」


ひ、ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!
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