下手くそな恋を泣きながら
一人占めしたいのに



*******


思いもよらないメールが届いたのは部長と別れて家に帰宅してすぐのことだった。

送り主は春坂先生。

初めてきた先生からのメールにドキドキが止まらなくて

早くメールをひらきたいようで、もう少しこのときめきに浸りたいような、新鮮なわくわくが私の中を一杯にする。


部屋の電気もつけ忘れて

暗がりの中

自分の鼓動を耳元で聞いているような気分だった。


何度も深い深呼吸を繰り返して

送り主である春坂先生の名前を指でなぞる。

先生からのメールが届いた。

それだけで天にも昇るような幸せを噛み締めながら、ようやく私宛に届いたそのメールを開いた。


春坂です。

昨日は三人で飲み会楽しかったね。

また、機会があれば三人で飲もうな。


三人でってところが引っ掛かるけれど、そんなこと、どうでもいいくらい嬉しい言葉。

メールを何度も読み返しながら部屋の明かりを点けて

昨日とは反対に

幸せ過ぎて眠ることができなかった。


ただの片想い。

だからこそこんな些細なメールで幸せになれるのは

好きな人がいて、初めて感じられる喜び。


ずっとずっと知らなかったこんな気持ち。

初恋の

片想いの続きは

ちゃんと始まっている。



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