下手くそな恋を泣きながら
それでも無意識にため息をついてしまう自分に苦笑いをしながら、お土産屋さんにはいろうとした時
遠くの空に浮かぶたくさんの風船が視界の端に見えて空を見上げた。
色とりどりのカラフルな風船がゆっくり青空に吸い込まれてく。
まるであの日の空のように・・・
あのときの私には、あの風船がどこへ行くのかなんて考えもしなかった。
ただ
幸せを象徴するようなあの風船を
置いてけぼりをくらったような気持ちで・・・
中学の頃、先生の周りを囲む女生徒の輪からはずれたあの遠い場所から眺めてるような気分で
旅立つ風船を
先生の結婚という旅立ちと重ねながら・・・
もう
届くことの無い思いと重ねながら
笑顔を作りながら
見つめていた。
青空に吸い込まれた風船に
私の4年間の片想いが追い付けることはなかった。
あの日の切ない気持ちがじわじわと溢れてくるのを感じながら
今またこうして
どこかで挙げられた結婚式の風船に視線を奪われていると
ふわふわと赤い風船が一つだけ迷子のように力なく、ふらふらと舞い降りていく。
風船が落ちていくなんて考えたこともなかった私は
繁華街から少し離れた場所へゆっくり下降していくその風船の行き着く場所が知りたくて
無意識のうちに走り出していた。