下手くそな恋を泣きながら

「部長・・・」

私の声に部長が振り返った瞬間

遮るように鳴った部長の携帯電話。

一瞬、知りもしない、部長の恋人の存在を思い出して体がビクッとした。


部長は携帯を手に、私を残して別室へと行って

残された私は

置いてけぼりをくらったような居心地の悪い、淋しい気持ちになってしまった。


窓の外は静かな住宅街。

ちらほら浮かぶ街頭と少しのお店の明り。

同じ市にすんでいるのに

窓から見える景色は全く違う。

部長の世界と私の世界はまるで違う。



今まで気にもならなかった部長の恋人。

あの向こうの部屋で、部長がどんな表情で彼女と話をしているのか

気になってしまう。


「・・・なんでなんだろ。」


なんとなく

孤独の気配を感じ始めたから

それを隠すために、さっき届いたメールを確認する。


相手は女友達だ。

この数日の未読メッセージを開いていっても

春坂先生からのメールもない。

新入部員も入ってきて、部活動も忙しいと、以前メールで教えてくれた。


いろんな事を思い返していると

結局、今、この世界に私を一番に考えてくれるような人なんていないことを思い知らされるんだ。


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