お見合いですか?
 休憩後の車内は、わりといい雰囲気だった。
テレビで渋滞のニュースを見ながら、東名じゃなくて良かったとか、最近のサービスエリアって凄いとか、そんな事話した。
 そんな話の流れで、ふと思い出した。
「そう言えば、5日って、何のイベントがあるんですか?」
「・・・ああ、それは・・・」
彼にしては、歯切れが悪い。言いにくい事?
「子供の日ですよね。スーパーでのイベントとかですか?」
「いや、仕事じゃなくて、単に、誕生日ってだけ」
「誰のですか?」
訊いたら、小馬鹿にした感じの溜め息が聞こえてきて、あっ、、「もしかして、悠斗さんの誕生日?」
「はぁ、まぁ、そういうこと」
「なんだぁ、もっと早くいってよー。何か欲しいものとかあります?」
「あるけど、物じゃないかな。」
「何、その意味深発言。」
「解らない?」
思わず、彼の横顔を見つめてしまった。
なんとなく、楽しそうな横顔を見て、からかわれてる?と思った。
「うーん、解りたくないです。取り敢えず、お祝いしましょうね。あっ、何か食べたいものあります?」
「なんでもいいよ。」
うわー、やっぱりそうきたか。
あまり食にこだわりがないのか、リクエストを聞くと、いつもこうだ。
「たまには、何か食べたいもの言ってよ。」
と、つい文句が出た。
「へー、言ってもいいんだ?」意地悪そうな声が聞こえてきた。
「言わなくていいです。」もうやだーー!
さっきから、なんなんだ!
なんのアピールだ。
いや、なんとなく解ってますけどね。
うん、それなりに大人だし。でも、あと1ヶ月は残っている。
そんな、事を考ていると、もう一般道を走っていた。
「あっ、そこのコンビニで降ろしてくだい。」
実家近くのコンビニが見えてきて、そう言った。 
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