お見合いですか?
 「すみません、車まで出してもらって。」
「いいよ別に、じゃあ出るけど、いい?」
「はい、大丈夫です。」

いよいよ、ゴールデンウィークの初日だ。
渋滞を避けるため、結構早めに出てきたけど、「もう、渋滞してるんですね。」
「考えることは、皆同じだな。」
ああ、朝早かったから眠い。
「眠いです。とてつもなく眠いです。」
「寝るなよ。」
「ええ、ここで上司の権限振りかざさないでください。」
「振りかざしたつもりもないんだけど。」
「今、もの凄く、支社長オーラ出てましたよ。」
「それが不満なのか?」
「いいえ、別に。それより、テレビ映らないんですか、このナビ?」
「映るよ。」
「おっ、映った!」
彼が、操作してくれた。
テレビでは、朝のニュースが流れてた。
ああ、ニュースって眠くなるよねー。
むしろ、CMになってくれないかなーとか、思っちゃうよね。
ぼんやりしてたら、名前を呼ばれた。
「愛実?」
「なんですか?」
「つまらない」
「あっ、チャンネル変えます?」
「そうじゃなくて、愛実が大人しいとつまらない」
なんだいきなり!そんな、構って欲しいみたいな態度は。
「ん?何言ってるの?キャラ変わってますよ。取り敢えず、休憩いれます?うん、それがいい。」
「じゃあ、そうするか。」
とは言っても、SAに入るのも、一苦労だったりする。

やっとのことで着いた。

「う~ん!気持ちいい天気~」伸びをしながらつい、声にでた。
絶好の行楽日和ってこんな日のことを言うんだね。
おかげで、人も凄い。
まぁ、こんな日に家にいるのも、勿体ないよねぇ。これから行く所が、実家っていうのが、何とも言えないが。

トイレとかすまして、サービスエリアを満喫する。
 お土産を買って、自販機で飲み物を買おうか迷っていたら、着信音が聞こえてきた。
あっ、ヤバい。出たら、案の定、怒られた。

「ガキか?しかも何で地元で買えるお菓子をここで買ってるんだ?」
「良いじゃないですか、ここのラスク好きなんですよ。そういうこと言うとあげませんよ。」
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