お見合いですか?
 デザイン事務所の営業さんの意見もあり、結局、私が良いと言ったデザインに決まった。
会議が終わり、ルンルン気分で応接スペースを片づけて、デスクに戻った。
早速、有希さんが「やるじゃん。愛ちゃんの意見が通ったんでしょ。」と言ってきた。
「今回は、デザイン事務所の方の賛成もあったので。」そうは言っても、自分の意見が採用されるのは気分がいい。

しばらく、会議の内容を纏めていると、林さんと井川君の「行ってきます。」と言う声が聞こえた。
「行ってらっしゃい。井川君お願いしますね。」そう言って、送り出す。
森のパスタで使うデミグラスソースの仕入れ担当に井川君がなった。てっきり私だと思っていたのに。まぁ、経験は彼の方があるしね。
そんな事を考えながらパソコンに向かう。

 「愛ちゃん、お昼休みだよ。」
有希さんに言われ、席を立つ。

 「支社長ってお昼は1人なんですね。」
「ああ、威厳を保ちたいらしいよ。たまに旦那とは一緒になる時もあるみたいだけど。」
と、ちょっと笑いながら有希さんが答えてくれた。
「大変ですね。」
なんとなく、ため息がでた。
「何?もしかして一緒に食べたかった?」
ニヤニヤとしながら聞かれた。
「べ、別に、そういう訳じゃ・・・」
「でもさぁ、最近ラブラブじゃない?」
「えっ、そうですか?」 
社内では、支社長は相変わらずで、ミスをしようものなら、あの冷たい馬鹿にした態度で注意をしてくる。
「だって、キスマーク付けられちゃうくらいだしぃ、そろそろ血液検査したら?」
「ああ、そうだったー。忘れないうちに申し込みしなきゃ。」

それから、数日後に血液検査用のキットが届いた。
 
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