お見合いですか?
元彼女ってやつですか?
 週が明けて月曜日。今日は朝から忙しかった。なぜなら、明日、森のパスタの試食のため、本社に行くからだ。
そして、水曜日は大手コンビニの会議だ。
支社長と行く事になっている。
そのための資料作りも私の仕事になってしまった。
面倒くさい。
本来なら、支社長の仕事じゃないの?
そんな事を思いながらやっとお昼だ。
 
 「今日は、食べにいく?」有希さんが聞いてきた。
「ああ、今日は、コンビニで・・」

 社内の休憩スペースに、支社長以外の4人が揃うのは、給料日前くらいだろう。
ちょうど良かった。
 週末、悠人さんに何故私が候補にあがったのか聞いたら、伯父さんと仲が良いからじゃないか?と言われた。有希さんは?ときいたら、有希さんは、甘いものが苦手らしい。
えっ?そんな女性いるの?そう言われてみれば、有希さんがデザート頼んでるの見たことない。
それでも、納得出来ないので、林さんから聞き出そうと思ったのだ。

 「林さん、お母様の具合は如何ですか?」
私は、にっこり微笑みながら言った。
「ああ、特に心配はいらないよ。今のところ入院する予定もないしね。」
「そうですか。それは、良かったです。・・
でも、今の仕事は続けられないんですか?」
更に、問い詰めた。
要は、どうして私が巻き込まれているのか知りたい!
流石は、林さんだ、察したらしい。

 「うーん、今のところ、引退を考え出してるみたいだけど。後任が決まってなくてねぇ。
まぁ、社の方針で、後任は女性がいいらしいんだよね。だから、森高さんも候補にあがってるんだよね。」
「何で女性がいいんですかね?」
「さぁ?まぁ、デザートは女性の方が好きな人が多いからじゃないか?」
林さんも、そこは聞かされていないようだった。それから、会長と社長の話を一応、声を潜めてした。
 伊川君が、「俺、この会話きいていいんですかね?」と
有希さんに引きつった顔で聞いていた。

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