副社長と愛され同居はじめます
「まあ、門田さんってダーツがお上手なんですか」
「上手かどうかって言われるとわからないけど、結構真剣にやってるよ。大会にも出ててさ」
彼が随分と話しやすい人で、お客様と話していて楽しいと思えたのは今日が初めてかもしれない。
門田さんがスマホを操作し、私の方にも近づける。
覗き込むと、小さなトロフィーを手に笑っている門田さんが映っていた。
「すごい! 優勝されたんですか?」
「去年ね。小さな大会だったけど」
そもそも、ダーツに大会なんてものがあるのか、ということにも驚きだった。
門田さんの手元を覗き込んでいると、不意に二人の間にある門田さんの手が、私の太腿をなぞった。
…………えっと。
別に、太腿撫でられるくらいのことは既に初日に経験したし、もう今更狼狽えることはない。
だけど、門田さんがそんな接し方をするようには見えなかったせいか、ちょっとばかり思考回路が停止した。