和花葉さんは今日も
和花葉さんと田辺くん








次の日。




俺は早々に弁当を食べ終えると、教室を出た。

向かうのは体育館裏。

昨日、山本が猫に餌をあげていた場所だ。






目的地に着くと、やはり、山本が猫に餌を与えていた。




「今日も来たんだね」

「あ、わりぃ……。邪魔だったか……?」




山本に言われて、自分の好奇心にだけ従って、彼女の気持ちを考えずに行動していたことに気がついた。




「全然大丈夫」




山本はそう言って微笑むが、それが本音なのかは分からない。




「山本に……聞きたいことがあって」

「私のことは名前で呼んでいいよ」




梓ちゃんと被って、ややこしいでしょ?と言われた。

梓ちゃんとは、2年2組のもう一人の山本、山本梓のことだ。



今、俺は山本を名字で呼び捨てしているが、名前で呼び捨てするわけにもいかないので、笹木と同じく、和花葉さんと呼ぶことにした。




「じゃあ……和花葉さんに聞きたいことがある」

「どうぞ」




了承を得たので、早速、質問しようと口を開く。





< 13 / 28 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop