祐也と私と一平先輩
「小坂か?どうした」


屋上へと続く階段室から一番離れたところで、ふと名前を呼びかけられて祐也は足を止めた。


そこには四角い一辺2メートルほどの大きな貯水タンクがデンっと鎮座している。


祐也が見上げた貯水タンクの上には一平が片ひざを立てて座っていた。


「今降りる」


そう言うと一平の姿が一瞬消えたと思うと、
タンクの裏から姿を現した。


「清良先輩が探してましたよ」


「そうか、悪い」


歩きだした一平に祐也が言葉を投げかけた。



「先輩っ!!」


「ん?」と足を止める一平。
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