祐也と私と一平先輩
「何だ小坂?」

振り返りざまに祐也の顔を見る。


「....あいつのこと好きなんですよね?」


自分でも唐突すぎたと祐也は思った。

だけど、どうしても一平と話がしたかった。

今はその絶好のチャンスだ。



「いきなり何だ?」


あわてた様子もなく、一平は笑みをたたえている。


「答えて下さい。あいつのこと好きなんですよね?」



視線を祐也から外すと一平は、


「あいつとは綾乃のことか?」


一平の前髪が風に揺れてその瞳を隠した。



「あ、....すみません。そうです」
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